2016年6月9日

私たちのビジョン

国外宣教のビジョン

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『教会形成・アジア21、そして世界へ』

―エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで―

日本同盟基督教団は1891年、横浜に降り立った15名の宣教師による「国外宣教」に始まります。百有余年を経た教団の今日の姿を思えば、その宣教の情熱をもった第一歩がいかに多くの実を結んだかに感慨を覚えます。

彼らの志は、世界的視野に立った宣教、犠牲を惜しまない救霊の情熱、未伝地に向かった宣教の姿勢、終末を見据えての切迫感などと表現される霊的財産を教団に遺しました。私たちはこれらを受け継ぎ、日本とアジアそして世界を視野に収める世界宣教に取り組み、次の第一歩に情熱をもって踏み出す教団として立ち続けます。そのために、日本同盟基督教団116年・国外宣教43年を省み、これからの国外宣教の展望を次のように掲げます。

Ⅰ.日本同盟基督教団の国外宣教は教会形成を目指す。

宣教の働きは、教会形成を軸に進むと私たちは考えます。宣教116年。教団での宣教の働きは多彩でしたが、主のからだなる教会を建てあげる視点がなければ歴史の中に立ちおおせないことを私たちは学びました。宣教師が現地で関わる教会形成のさまざまな段階においても、その働きを位置づけ、見失わない一筋が「教会形成を目指す」です。

私たちは、現地の教団・教会と協力し、自律する教会の形成を目指します。そのために現地の人材を育成する視点を大切にします。また、福音に門戸を閉ざす社会に向けては、技術を持って入って行く教職や信徒の宣教師派遣に取り組みます。

Ⅱ.21世紀にアジア全域へ宣教師を送る。

私たちは、国外宣教70周年・2034年を目標に、アジア全域への宣教師派遣を目指します。「21」とは、宣教に取り組む21世紀を、そしてアジアの各国・各地域全体を意味する数字です。アジアには、多様な文化と様々な社会体制が混在しており、その宣教は文化・社会のつながりを考慮し、段階を踏んで進めなければなりません。

これまでの宣教師派遣は、おもに宣教師として立つ者の個人的ビジョンを教団的に受けとめて派遣してきました。しかし今後、世界全域を視野に入れた宣教を行うためには、教団がさらに主体的に、計画と展望を持って宣教に取り組むことが必要であると考えます。

Ⅲ.アジア諸教会と協力して全世界へ宣教師を派遣し、再臨を待ち望む。

私たちが「アジア21」とあえて掲げるのは、「全世界」を視野に入れてのことです。宣教の働きをアジアに限定する意図ではなく、宣教のための拠点を築き、次の国へ向かうという段階を踏む大切さを覚えているのです。

アジアそして世界への宣教を現実に考えるとき、日本同盟基督教団が独力で宣教師を派遣するには数にも力にも限界があります。それならば、宣教地の教会と協力し、次の宣教地を目指すことを考えなければならないでしょう。

『教会形成・アジア21、そして世界へ』大きな標語です。けれど信仰で始まった第一歩から、日本同盟基督教団はすでに200を超える教会を擁し、20組を超える宣教師を派遣してきました。もとより、からし種にたとえられた神の国は、聖霊の降臨によりキリストの教会としてその姿を現し、福音宣教によって神の民が呼び集められつつ今や世界に広がりました。神の国は、福音が全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされたとき、キリストの再臨によって完成されます。

私たちは今、もう一度、福音にふさわしい内実を伴ったキリストの教会となり、福音未伝地を目指した宣教精神を受け継ぐことをここに確認します。