宣教学研究会ーこころの窓を開いてー

国外宣教委員 井上聡(土浦めぐみ教会牧師)

昨年、宣教師支援の一環として研修の充実を求める声が強く挙げられるようになりました。宣教師が語学の習得や宣教地の文化・慣習を学ぶと同時に、霊的・神学的な研鑽を積むことは良い奉仕をするためには欠かせません。そこで継続研修を目的とする宣教学講座のような機会を設けるべく「宣教学研究会」を立ち上げることになったのです。将来的には、講師を招いての宣教学講座を開いたり、関心のある教職者や信徒の参加も可能とするような会を目指しますが、まずは読書会から始めることになりました。

最初の課題図書として選んだのは「今日におけるキリスト者の宣教」(J・ストット、C・ライト共著、いのちのことば社、2016年)です。この本は、ローザンヌ運動の指導者の1人であったストットとその後継者ライトによる「宣教とは何か」を本質的に追求した内容となっています。2冊目は、エキュメニカルな立場から見た伝道・宣教論を学ぼうと「和解と癒し―21世紀における世界の伝道・宣教論―」( 世界教会協議会世界宣教・伝道委員会編、キリスト出版社、2010年) を選びました。こちらは、世界宣教会議(2005年)のために世界教会協議会(WCC)がまとめた文書であり、宣教論における共通点の多さに驚かされます。

宣教とは何かを追求する考察は、教会がこの世界でなすべく使命を確認する霊的な作業でもあります。オンラインの読書会では、宣教師と国外宣教委員会のメンバーが一堂に会し、自由な語らいの時間を過ごします。そこで交わされる言葉は、近年の神学的動向に思いを巡らしたり、宣教地で直面する現実的な問題に至るまで多岐に渡ります。そこで見えてくるのは、国内の教会と宣教地に共通する課題であったり、宣教地特有の文化的・社会的な問題であったりします。

毎回、予定している時間があっという間に過ぎてしまい、二次会にまで発展することがたびたびです。このような神学的な営みが宣教師の働きを支援し、助けとなることを信じて、読書会を続けていこうと考えています。